日本国内で見かける機会が増えた外国人観光客。外国人客数の増加にともない、日本国内でもさまざまな施策が立てられてきました。しかし、未だに解決できていない問題があるのも事実です。

今回の記事では、外国人観光客が日本旅行時に困ったことや、その解決策などについてご紹介していきます。

外国人観光客が日本旅行で困ったこと

観光庁が2016年に行ったアンケート調査によると、外国人客が訪日旅行で困ったことのトップ3は、第1位が「コミュニケーション」、第2位が「無料公衆無線LAN(Wi-Fi)環境」、第3位が「他言語表記の少なさ・分かりにくさ」です。

2015年の調査では第1位が「無料公衆無線LAN環境」、第2位が「コミュニケーション」、第3位が「交通経路情報の入手」だったことから、日本でインバウンド向けの施策が進み、少しずつ外国人客の印象も変化してきているといえるでしょう。

参考:観光庁『訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート』

1:コミュニケーションの問題

ここからは、「外国人客が日本で困ったこと」の1位から3位までの問題点と解決策について、それぞれ詳しく解説していきます。

まずは1位に挙がっている、「コミュニケーション」の問題について見ていきましょう。

■現状の問題点

日本人には、外国語をスムーズに話せる人が少ないといわれています。言語面の不安とシャイな国民性から、訪日客とのコミュニケーションに消極的な方が多い傾向にあるようです。

また、観光庁のアンケートでは、コミュニケーションの問題が多く発生しているのは、飲食店や小売店といった店舗であるという結果が出ています。これらの店舗では、複雑な会話のやり取りが多く、外国語への対応が追いついていないといえます。

■解決策

外国人客を接客する機会が多い飲食店や小売店では、コミュニケーションを円滑にするため、「多言語表記の強化」「通訳サービスの導入」などを進めるとよいでしょう。商品名を複数言語表記にする、多言語に対応可能なタッチパネルを設置する、通訳士を雇用するなどの対応を進めることで、外国人客を受け入れる体制が整います。

また、各店舗でインバウンド層の接客に関する研修を行い、スタッフに英語や中国語などの基本的な接客フレーズを教えておくことも、重要なポイントです。

2:無料公衆無線LAN環境

前年度の調査では、困ったことの第1位だった「無線LAN環境」。2016年には国内での導入が進み、第2位となりました。そんな中で外国人客の不満を解消するには、どんな対策を立てていけばよいのでしょうか。

■現状の問題点

多くの人がスマートフォンで観光先の情報を得る現代では、どこでもインターネットに接続できる無線LAN環境がきわめて重要です。その点で後進国だった日本では、かつては無線LANの導入数の少なさが、外国人客からの不満につながっていました。

現在は無線LANの数自体は増加しているものの、それが認知されていなかったり使用方法が分かりづらかったりという問題が出てきています。

■これからの解決策

無線LAN環境の整備は、店舗や企業にインバウンドを呼び込む上で必須といえます。今後は訪日客が「このお店では無線LANが使える」と一目で分かるような工夫を凝らすとよいでしょう。

具体的には、「店舗内に無線LANのステッカーを貼る」「無線LAN対応について複数言語で書いた注意書きを作成し、店舗の外に貼りつける」など、どんな国の方が見ても分かりやすくする対策が必要といえます。

3:多言語表示が少ない・分かりにくい

外国人客が困ったことの第3位は、「多言語表記の少なさ・分かりにくさ」です。以前と比べて多言語表記は一般化してきていますが、現状はどのような問題点があるのでしょうか。

■現状の問題点

最近では、外国人客に対応するため、日本語以外に英語、中国語、韓国語などで書かれた地図や案内板などが増加してきました。しかし、外国人客の国籍はさまざまです。とくにアジア各国から訪れる訪日客は、英語が読めないケースもあります。

今後は訪日客の多国籍化にともない、多言語表記を見直す必要があるといえるでしょう。

■解決策

多言語表記を見直すといっても、世界中のすべての言語に対応しようとするのは現実的ではありません。そんなときに役立つのは、「分かりやすいデザイン」や、特定の情報を絵文字で表現した「ピクトグラム」です。

多言語表記した地図や注意書き、案内板などにイラストを添えたり、国際的に認知されている世界共通のマークを用いたりすることで、幅広い国籍の訪日客に理解してもらえるようになります。

「日本旅行で困ったことはない」という声も多い

ご紹介したように、外国人客が訪日旅行で困っていることは多く、国内の受け入れ体制が完璧に整っているとはいえません。しかし一方で、「日本旅行で困ったことはなかった」という意見も多くなっています。「おもてなし」に改善の余地はあるものの、着実に外国人客を受け入れる姿勢が整ってきているといえるのではないでしょうか。

外国人客の受け入れ体制を強化すれば、日本の魅力を最大限に楽しんでもらえます。国内の観光地や店舗の良さを知ってもらうため、より一層の努力を進めていきましょう。