日本におけるインバウンド産業の重要性が増加しているのは、皆さんご存じかもしれません。今後もインバウンド産業を伸ばしていくためにできることはたくさんあり、その対策を立てるために、訪日外国人旅行者の国別動向について把握するのはとても大切なことです。

今回は、外国人観光客の国別動向と彼らの日本での過ごし方などについて解説します。

アジア圏が上位を占めている

日本を訪れる訪日外国人旅行者の中で多いのが、アジア圏の国々からの旅行客です。観光庁の統計データを元に、アジア地域の国々の観光客の特徴について見ていきましょう。

1.中国

中国からの旅行者は735万人を超え、日本のインバウンド産業の重要な顧客です。特に1人当たりの旅行支出額が23万円超と平均を大きく超えており、消費額ベースのシェアでは40%近くになっています。これは日本を訪れる全ての国の中で1位という結果で、中国人旅行者のハートをつかむことが今後のインバウンド産業においても重要といえるでしょう。支出の半分を買物代が占めていることも特徴の一つです。

2.韓国

平成29年の韓国からの訪日観光客数は714万人で、前年比の40%増と順調な伸びを示しています。しかし同じ東アジアの中国や香港、台湾に比べると、一人当たりの旅行者の消費金額は低くなっています。これは韓国からの旅行者のうち、若者の短期滞在が大きなウェイトを占めていることが理由としてあげられるでしょう。

3.台湾

平成29年の台湾からの旅行者も前年に比べると伸びています。全体のシェアは人数比で15.9%、金額ベースで13.0%とやや消費金額は低くなっていますが、日本にとって重要な旅行元です。訪日回数が2〜5回目のリピーターが最も多いことから、一度訪問した台湾の人は再度訪日する可能性が高いといえるでしょう。

4.香港

日本を訪れる香港の方は多く、消費額のシェアでは第4位となっています。平均泊数は6.1日で韓国より長く、中国より短いという結果です。台湾と同様に、初回訪問者よりリピーター客が多いことも特徴といえるでしょう。

参考:観光庁「平成29年における訪日外国人の消費動向」

伸び率が高い国

日本を訪問する主な旅行者はアジア圏の人々ですが、伸び率が著しく高い国もあります。伸び率が大きい国のいくつかについて、その特徴をまとめました。

ロシア

平成29年のロシア人観光客は約8万人と全体のシェアは少なくなっていますが、前年と比べると40%増と急激な伸びを示しています。ロシア人観光客の特徴は滞在日数が長いことが挙げられ、平均すると19.4日です。一人当りの旅行支出も約20万円と高額なため、今後有望なターゲットになるといえそうです。またロシアの特徴として、一人当たりが使用する娯楽サービス費が平均0.9万円と他の諸外国、地域に比べて高く彼らが日本文化により興味を持ち、他の国の方々に比べ、コト消費よりモノ消費にお金を使う傾向にあることが挙げられます。

韓国

韓国も平成29年の訪日旅行者が、前年比の40%超と増加が著しい国の一つです。特徴として20代女性の訪問が多いことが挙げられます。菓子類の購入率が他の国々と比べて高くなっているので、女性がスイーツ目当てで訪問しているといえるでしょう。こういった女性たちの心をつかむことによって、今後も彼女たちが日本を訪れる可能性が高まります。

インドネシア

日本を訪れるインドネシア人観光客の数は、前年度と比べて大きく増えており30%増となっています。これはインドネシア自体に豊かな人たちが増えているのが理由と考えられそうです。ただ、一人当たりの消費額はあまり多くなく、1回目の訪問者が半数を超えています。今後はリピーター率を伸ばすこと、一人当たりの消費額を高くするための工夫をするなど、有望なターゲットとするには努力が必要です。

世界から見た日本とは?

さまざまな国の人々が日本を訪問しており、着実に増加していることが分かります。ここでは、日本が世界からどのように見られているのかについて見ていきましょう。

世界中で観光客が増加している

2016年に海外旅行をした人は全世界で12.4億人。1990年代に比べて、その数は3倍に増えており、世界中で観光客数が著しく増加しています。これはインターネットの普及により、海外の情報がより手に入れやすくなり、心理的に海外が近くなったことや、以前に比べて交通機関が発達したことなど、いろいろな理由が考えられそうです。

観光客の受け入れは世界水準

日本を訪れる外国人観光客数、伸び率、観光収入は世界各国の有力な観光地と比べても、劣っていないのが現状です。日本の観光地としての魅力は世界水準といえるでしょう。

インバウンド産業を伸ばすために、考えられる対策

国別の消費動向や訪問する観光客の状況をみていく、リピーターの重要性を気付かされますね。日本を何回も訪問してもらうためには、日本の魅力をもっと理解してもらう必要があるでしょう。その中で、大きな課題が言語です。日本はアルファベット表記が少なく、通じる言語も日本語のみのため、外国人旅行者にとって厳しい国といえるのです。訪日外国人観光客の出身国はさまざまなので、多くの言語に対応する必要があります。タブレッド型通訳サービスの導入や通訳士の雇用や多言語表示が、今後のインバウンド対策となるでしょう。