外国人観光客を受け入れ時の課題とは?2020に向けた対策

外国人観光客を受け入れ時の課題とは?2020に向けた対策

開催が迫る2020年の東京オリンピック。大会期間中は多くの外国人観光客の訪問が見込まれるため、早急な受け入れ体制の調整が必要です。しかし、2020年を目前に控えた今も、外国人客の受け入れ体制に多くの課題を残しています。

今回は、外国人観光客を受け入れるときの課題だけでなく、その理由今度の対策について解説します。

課題1:ホテルの数が足りない

オリンピック開催に向けて、今後は数日だけでなく長期で滞在したいというニーズが増えるでしょう。そのためには多くの宿泊施設が必要ですが、現状ではその数の不足が懸念されています。

なぜ足りないのか

それでは、なぜホテルが足りないといわれているのでしょうか。その原因について、見ていきましょう。

■慢性的なホテル不足

外国人観光客は、円安を背景に年々増加しています。2015年の時点で大都市圏のホテルはどこもほぼ満室状態で、外国人宿泊客の宿泊は全体の約15%にのぼりました。こういった慢性的なホテル不足は、違法民泊にもつながっています。

■外国人客にとって旅館の価値が高い

旅館は「Ryokan」としても外国人旅行客に通じるようになっており、都心部より地方の旅館を素晴らしいと評価する外国人客が増えてきました。江戸時代から発展してきた歴史背景やレベルの高いサービスが好評ですが、外国人客が価値を感じる昔ながらのおもてなし旅館の数は限られているのが現状です。

今後の対策

ホテルの数が足りていないといわれている日本ですが、2020年に向けて、どのような対策が必要なのでしょうか。

■大都市圏以外の地方への誘導

外国人観光客の宿泊は東京・大阪・京都などの大都市圏に集中していましたが、地方観光地の魅力を発信した成果もあり、2015年以降は中部・近畿地方の宿泊も増加しています。しかし、現在でも大都市が宿泊の半数を占めているため、過疎化が進む地域では改善の余地がありそうです。

■異業種の宿泊事業参画

ホテル不足といわれるなか、インバウンドによる宿泊需要を見込んで異業種の宿泊事業参入が増えています。メディア会社やアパレルブランド会社などが、他業種ならではの視点から展開する新しいコンセプトのホテルは、インバウンドのコト消費に新しい価値を生み出すかもしれません。

■積極的な民泊の活用

ホテル不足解消の手助けとして注目されるのが、個人宅に有料で宿泊できる「民泊」です。空き部屋を有効活用できるとして副業の観点からも話題になっており、2018年6月には「住宅宿泊事業法(民泊新法)」も施行されました。しかし、細かい取り決めや厳しいプライバシールールを守らないと法律違反になるため、継続が難しいと断念する人も多くなっています。一方で民泊のニーズは高いため、今後はガイドラインの見直しが必要となるでしょう。

課題2:外国人観光客の受け入れ体制が整っていない

宿泊施設以外にも大きな問題となっているのが、インフラの整備です。訪日観光客が増加しているとはいえ、まだまだインバウンドの受け入れ体制は整っていないといえそうです。

なぜ整っていないのか

外国人観光客数が順調に増え続けている日本ですが、どのような課題が残っているのでしょうか。

■交通機関の利便性

インバウンドの急増によって、入国審査の長時間化が問題となっています。成田国際空港と関西国際空港では一部専用レーンを設けていますが、今後も混雑緩和に向けた対応が必要となるでしょう。また、空港における発着便の拡大や、空港から観光地への交通手段も充実させる必要性があります。

■地方都市の受け入れ体制

観光資源を有効活用するためには、地方都市の受け入れ体制を整えることも欠かせません。観光庁の調査によれば、「地方にはWi-Fiスポットが少ない」「クレジットカードが使えるお店や外貨両替所が少ない」といった外国人客の声が挙がっています。

■浸透しないキャッシュレス

日本は現金での支払いが多くなっていますが、海外ではクレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレスが普及しています。キャッシュレスであれば決済が簡単に済み、窃盗の心配もないので安心だからです。外国人観光客がストレスなく買い物を楽しむためには、日本もキャッシュレス社会に移行させる必要があるかもしれません。

今後の対策

ここからは、外国人観光客をより多く受け入れるために行いたい、日本のインバウンド対策についてご紹介します。

■直行便の運航

現在インバウンド対応として空港直行便が検討されており、JR東日本による羽田空港アクセス線、国土交通省による都心直結線、大田区による新空港線(蒲蒲線)、東京モノレール延伸などの声が挙がっています。また羽田・成田空港は2020年までに年間8万便拡大予定で、地方空港もLCCの新路線を促しています。今後は、交通事業者間の連携も重要な鍵となりそうです。

■駅ナンバーの導入

案内板の多言語表示が進んでいますが、外国人客が観光する際に問題となるのが駅名で、より分かりやすいように「駅ナンバー」が導入されています。これにより、車内表示やスマホでのWeb路線図が理解しやすくなるでしょう。また、東京メトロでは2020年までに、Wi-Fiを全線に導入する予定となっており、2020年へ向けての対策が進められています。

■シェアリングエコノミーの活用

地方観光を盛り上げるためには、交通の便を良くする必要があります。バスやタクシーが不足していると観光地での滞在時間が減り、経済効果も低下してしまいます。現在、自家用車や自転車をシェアして、誰でも使えるサービスが増加中です。アプリで手軽に使えるシェアリングエコノミーを活用することが、地方活性化の助けとなるでしょう。

課題3:多言語に対応できてない

3つ目の課題として挙げられるのが、言語の問題です。最近は幼少時から英語教育に力を入れている方が増えてきていますが、早急なインバウンド対応としては課題が山積みです。

なぜ対応できないのか

多言語に対応できていないのには、どのような原因が考えられるのでしょうか。

■通訳ガイド不足が深刻

通訳ガイドには通訳案内士という国家資格が必要ですが、2017年5月、インバウンド対応のために、無資格でも有償で通訳ガイドができる「改正通訳案内士法」が成立しました。しかし現在の外国人観光客の多くはアジア圏からですが、登録通訳案内士は英語ガイドが多い上に都市部に偏っているため、需要と供給にギャップが生まれています。

■多言語表記が不足している

首都圏の交通機関はだいぶ多言語表記が増えていますが、地方ではまだまだ不足しています。オリンピック開催中は長期滞在が増える可能性が高いため、今後は商業施設や娯楽施設でも多言語対応が必要となってくるでしょう。

今後の対策

多言語に対応するために行いたい、今後の対策についてご紹介します。

■タブレット型通訳サービスの導入

人手を増やすことなく低コストで導入できるのが、タブレット型通訳サービスです。タブレット端末を通して顔を見ながら通訳してもらえるので、外国人観光客ともスムーズなやりとりができるでしょう。多くの言語に対応していることや24時間利用できることは、外国人観光客との応対で、大きな強みとなりそうです。

■多言語対応できるスタッフの確保

米紙『ワシントンポスト』は、まったく英語が通じないより少しでも理解できるほうが、宿泊の決め手になると報じています。よく聞かれそうな内容は話せるようにしておくのが望ましいのですが、できれば英語や中国語などを話せるスタッフを雇うのがベストでしょう。

■WEBやSNSの活用

予約サイトでレビューを見て訪れる外国人客も多いため、インバウンド対応は訪日前から始まっているといえます。老舗旅館や特定の観光地など守ってもらいたいルールがある場合は、あらかじめサイト上で情報発信をしておきましょう。

外国人観光客の日本滞在を充実させるために

政府は、2020年に外国人観光客数を4000万人に増やすという目標を掲げています。既に達成ベースではあるものの、これらの課題を解決しないままでは、外国人観光客が日本に滞在する中で混乱する可能性は否定できません。

より多くの方々に日本での時間を楽しんでもらうためにも、今後もさまざまな課題の改善が必要といえるでしょう。

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