訪日外国人客が増加し続けている現在。日本のホテルでは、インバウンド層を呼び込むための新しい施策が求められています。競合店に負けない画期的な施策を立てることは重要ですが、そのためには同時に「お客様とスムーズなコミュニケーションがとれること」も大切。

今回の記事では、日本国内のホテルで行われている取り組みや、通訳サービスの導入による効果などについてご紹介します。

ホテル業界とインバウンドの現状

数日間に渡って日本に滞在するケースが多い外国人旅行客にとって、ホテル選びは外せないポイントです。まずはホテル業界とインバウンドの現状について見ていきましょう。

ホテルに求められているのは「通信環境の整備」「観光施設へのアクセス」

日本政策投資銀行(DBJ)と日本交通公社(JTBF)が合同で行った平成29年の調査によると、海外からのお客様が日本の宿泊施設に求めていることは、1位が「通信環境の整備」、2位が「観光施設へのアクセス」、3位が「低価格」、4位が「英語対応」です。

日本は海外に比べてWi-Fi環境の整備が遅れている傾向にあります。宿泊中に観光地や周辺施設について調べる方も多いため、ホテルの通信環境はかなり重視されているといえるでしょう。また、訪日客は一度の滞在期間が長い傾向にあります。滞在中に複数の都市を訪れる訪日客も多いため、観光地・駅へのアクセスの良さも重視されています。

参考:「DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査(平成29年版)」

日本ならではの「旅館」への注目が集まっている

備え付けの浴衣や手の込んだ会席料理、温泉など、日本ならではの要素が詰まった「旅館」には、近年訪日客からの注目が集まっています。観光している時だけでなく滞在期間中も日本の文化を味わえる点は、旅館の大きな魅力といえるかもしれませんね。

カプセルホテルも人気?

日本らしい「旅館」が支持される一方で、海外では珍しい「カプセルホテル」に泊まりたいと考える外国人客の方も増加しています。単純な物珍しさだけではなく「周辺施設へのアクセスがよく、低価格で利用できる」という点も魅力なようで、とくに都心部では人気が集まっている様子です。

ホテル業界の新しい試み

外国人客からの需要が高まるホテル業界。そんな中、いくつかのホテルは外国人客をターゲットとした新しい試みを実施しています。その具体例について、いくつか見ていきましょう。

日本文化体験の場を提供する

「外国人向けの茶道体験教室」
「近隣の日本文化体験施設と提携した着物のレンタルサービス」

など、日本文化を気軽に楽しめる体験を実施しているホテルがあります。訪日旅行客の「モノ消費」が落ち着き、「コト消費」の需要が高まる今、このような日本文化の体験は注目を集めやすくなっているようです。

客室に工夫を凝らす

あるホテルでは外国人客向けに、客室を和室仕様にする試みを行いました。単純に日本らしさを取り入れるだけではなく「布団を敷いて寝る」という文化に馴染みのない外国人客のために、厚みのあるマットレス使用の布団を採用しています。このようなさりげない配慮を怠らないことで、より外国人客の満足感を高められると期待できます。

多言語への対応を強化して「泊まりたい」ホテルに

ホテル業界での新しい試みについてご紹介しました。今後は各ホテルでより画期的な取り組みが求められると予想されますが、そのためには、まず「言葉の壁」を取り去ることが必要不可欠です。

ここでは、ホテルでできる多言語への対応強化の方法についてご紹介していきます。

スタッフの教育

多言語への対応の一つとして「既存スタッフの教育」が挙がります。社内で研修を行い、簡単な挨拶やよく訪ねられる場所や物事についての受け答えは、スタッフ全員が対応できるようにしておくといいでしょう。その他、スタッフが接客を行う際のサポートとして、外国語の基本的な単語をまとめたマニュアルを用意すると便利かもしれません。

タブレット型通訳サービスの導入

幅広い言語に対応する施策として、タブレット型通訳サービスの導入が注目されています。タブレット型通訳とは端末を介し、テレビ電話でオペレーターの通訳を受けるサービスのこと。24時間いつでもサービスを利用できるほか、使用した時間しか料金が発生しない「従量制」の導入プランもあります。

タイ語ポルトガル語などの通訳士の数が少ない言語にも対応可能なため、上手く活用すれば、低価格で外国人観光客の満足度を向上させられるでしょう。

各対応を強化してインバウンド層を取り込む

年々訪日客数が増加している現在の日本。東京オリンピック・パラリンピックに向けてますますインバウンド層の流入が見込める中、今後は各ホテルでの集客競争も激化していくと予想されます。

個性的な試みを行うホテルも増えてきており、外国人客向けのサービスや多言語化対策などは必須になっていくといえるでしょう。外国人客への対応を強化し、インバウンド層を引き込む施策を立てていきましょう。