日本を訪れる外国人観光客の多くは、「楽しかった」「また来たい」という感想を残して帰国しています。しかし、日本での旅行期間中に困ったことや不満に思ったことも少なからずあるはずです。

そこで今回は、観光庁が行ったアンケートを元に訪日外国人が、日本滞在中にどんなことに困ったのか、そしてその対策方法をまとめました。

1位は「不満がなかった」

平成29年9月から10月、観光庁は「訪日外国人旅行者の受入環境整備における国内の多言語対応に関するアンケート」という調査を実施しました。この調査は、主要空港で外国人観光客に対して行ったものです。

その結果、日本旅行で困ったことについて初めて「困ったことはなかった」が1位に輝きました。前年の結果で1位は「施設等のスタッフとのコミュニケーションが取れない」というものでしたが、国や環境事業が一丸となって推し進める受入環境設備の整備によって、訪日外国人観光客にとって不満や困ることが改善されたと考えられます。

参考:「訪日外国人旅行者の受入環境整備における国内の多言語対応に関するアンケート」(観光庁)

訪日外国人が不満に思っていること

「困ったことがない」が1位だったのは確かですが、その割合は全体の約3割です。今後もインバウンド誘致を推進するには、訪日外国人観光客の声に耳を傾け、彼らが不満に思っていることを改善し、より過ごしやすい旅行環境を整えていかなければなりません。

では、日本を訪れる外国人観光客の人々はどのような点に不満を感じているのでしょうか。アンケートで上位に挙がった項目について見ていきます。

コミュニケーションが取れない

前年1位だった「施設等のスタッフとコミュニケーションが図れない」という不満点が、アンケートの上位です。

日本の観光施設や飲食店では、インバウンド需要に対して外国語でコミュニケーションを図れるスタッフの供給が追い付いていないという現状が見受けられます。せっかく観光施設や美味しい日本料理の店に行っても、スタッフから十分な案内を受けられず、旅行が楽しめないのでは日本の良さを十分に味わってもらうことはできません。

「コミュニケーションがとれない」という不満を改善するには、こういった施設や店舗に通訳システムを導入するとともに、日本人スタッフの多くが持つ外国語に対する「難しい」という壁を取り除かなければならないでしょう。

多言語に対応していない

「多言語に対応していない」という不満が上位に挙がっているのも、コミュニケーションが取れないという不満が増加する理由の一つです。
日本は英語圏だけではなく、ヨーロッパ・アジア圏など世界中からたくさんの訪日外国人観光客が訪れます。それぞれが違う言語を使用しているため、日本で増えている「英語表記の案内や接客」だけでは意思疎通ができず、コミュニケーションに対する不満が高まってしまうのです。特にアジア圏からの旅行者が増加している今、案内やパンフレットに多言語化表記を増やし、英語以外の言語の対応力を上げる対策が求められるでしょう。

また、通訳においても多言語化は重要です。観光地や店舗に訪れた外国人観光客の言語全てに対応するには、プロの通訳者がサポートしてくれる「タブレット型通訳サービス」や通訳士などの導入を検討しましょう。
タブレット型通訳サービスは、タブレットで通訳者と接続し、さまざまな言語に対する通訳コミュニケーションサービスを受けられるようになっています。1台導入すれば、誰でも簡単に操作できるので、「多言語化」の不満改善の大きな鍵となるでしょう。

公共交通機関がわかりづらい

日本の公共交通機関は、時間の正確さや安全性に対しては世界的に高い信頼を誇っています。しかし一方で、電車の乗り継ぎが非常に複雑で、旅に慣れていない外国人観光客にとって、「難しい」「分かりづらい」という評価につながっているようです。

特にターミナル駅である新宿駅や東京駅などは、もともと暮らしている日本人ですら複雑な構造だと感じる駅。構造だけでなく、鉄道の種類によって使える切符が違うというのも「分かりづらい」と感じさせる一因になっています。日本人でさえ迷ってしまうことがある駅構内は、初めて日本を訪れた外国人の方々にとって、まるで迷路のように感じるのでしょう。

ICカード利用の推奨

これらの対策として有効なのがICカードの案内と説明、観光案内所の増設です。どの改札でもタッチするだけで通過でき、現金を事前にチャージしておけるICカードは、使い方さえ覚えれば旅行時の乗り換えをスムーズに改善し、訪日外国人観光客の交通機関でのストレスを緩和できるでしょう。そのためには、ICカードが電車やバス・タクシーだけではなくコンビニや飲食店でも使えること、その使い方やチャージ方法を多言語で説明できるシステムの導入が求められます。

外国人観光客の不満に会ったインバウンド対策を

今後もインバウンド誘致を推進していく日本では、外国人観光客のさまざまな不満に対して適したインバウンド対策を求められます。それらを一つ一つ解決していくことが訪日外国人の日本に対する評価を高め、リピーターや初旅行者数が増えていく未来につながるはずです。そのためには、まずは言語の壁を取り払い、より深く日本らしい接客やコミュニケーションを行えるようにしていきましょう。