近年、増加しているインバウンド日本政府観光局の調査によると、2017年度の訪日外国人旅行者数は2,869万人に達しており、国内のさまざまな企業にとって無視できない市場になってきました。

今回の記事では、インバウンドの受け入れを図るために、企業が行っているさまざまな取り組みについてご紹介していきます。

多言語表記の強化

日本を訪れる外国人客の増加とともに、その国籍や傾向も変化しつつあります。多様化するインバウンド層に対応するためには、「多言語」への対応が必要不可欠。
まずは国内で進められている、多言語表記への取り組みについてご紹介します。

■アジア圏の訪日客に向けた多言語表記

近年増加している、中国や韓国、台湾といったアジア圏からの訪日客。アジア圏の所得向上やLCCの台頭により、母国語しか話せない旅行者の割合も増加しています。

このような層を呼び込むため、英語だけではなく、中国語韓国語などへの対応強化が必須となってきました。空港や駅、観光地の看板や案内などで、多言語表記がされているのを見かけた方も多いのではないでしょうか。
各企業や店舗でも、このような多言語表記が求められます。

■さまざまな情報媒体での多言語化が必要

ITの進化により、スマートフォンアプリやホームページなどからの情報収集が主流になりつつある現在。海外の方も、インターネットで日本の情報を集めるケースがほとんどです。

このような現状から、企業のホームページSNSなど、さまざまな情報媒体でも多言語表記が求められています。

通訳サービスの導入

通訳・言語コミュニケーションの充実も、重要な多言語化対策のひとつ。
そんな中で注目が集まっているのが、通訳士やタブレット通訳などの「通訳サービス」です。
ここでは、日本の企業や店舗が取り入れている通訳サービスについてご紹介します。

■通訳士の雇用

2018年1月の法改正により、今までは通訳案内士の資格が必要だった「通訳ガイド」の仕事が、無資格でも可能となりました。この影響もあり、通訳士の数はますます増加していくと考えられます。

通訳士を雇用することで観光地の案内はもちろん、顧客ニーズに見合ったサービスや体験の提案がしやすくなり、外国人旅行者の満足度を高める効果が期待できます。

■タブレット通訳サービスの導入

タブレット型通訳サービスは、テレビ電話システムを通して、オペレーターの通訳を受けられるサービスです。複数言語の通訳に24時間対応可能なものもあり、ネット回線があれば、どこでもサービスが受けられます。

通訳士を雇用するよりも低コストで、機械による自動通訳よりも精度の高い通訳ができるため、外国人旅行者の満足度向上が期待できるでしょう。

その他の特徴的な施策

外国人旅行者の受け入れに向け、言語以外にもさまざまな施策が行われています。
ここからは、先程ご紹介した以外の特徴的な施策について、見ていきましょう。

■荷物預かり所の増設

訪日観光客の平均滞在日数は7日から13日がボリュームゾーンです。長期滞在のため、大きな荷物を抱えて旅行する方が多くなっています。

これに対して、駅や公共施設、ホテルなどで進められているのが、「荷物預かり所」の設置・増設です。長期滞在する訪日客がより積極的な観光や消費活動も期待できる、効果的な施策といえます。

■アクティビティガイドの養成

サービスを体験する「コト消費」の需要拡大により、外国人旅行者のアクティビティ利用が増えてきました。このニーズに応えるため、北海道では中国語や英語を母国語とするアクティビティガイドの養成を行い、外国人旅行者の受け入れ強化を図っています。

■食事対応の強化

訪日客の中には、ベジタリアンの方や、宗教上の理由で食べられない食材がある方も多くなっています。このような方々に向け、食事への対応を強化する飲食店や宿泊施設が増えてきました。

とある旅館チェーンでは7大アレルゲンのほか、ベジタリアンに対応した懐石コースを提供することで、外国人旅行者の旅館利用を促進した例もあります。

■礼拝所の設置

イスラム圏からの観光客増加に対応するため、礼拝所の設置も進んでいます。最近では、三重県伊勢市が伊勢神宮の近くにムスリム礼拝所を設置し、話題となりました。
今後はインドネシアのような経済成長が著しい地域からの旅行者が増えることも予想され、礼拝所の設置も進むと予想されます。

日本の企業全体でインバウンド獲得に取り組む

世界から観光地としても注目を浴びている日本では、今後も外国人旅行者が増加していくと予測されています。そんな中、訪日外国人客に日本の魅力を伝え、日本へのロイヤリティを高めることは、観光立国としての発展に欠かせません。

外国人客に日本の魅力を最大限に伝え、ストレスなく日本の滞在を楽しんでもらうためには、日本の企業全体で外国旅行者の受け入れについて取り組んでいく必要があります。今回ご紹介した取り組みを参考に、外国人旅行者向けの新しい施策を検討してみてはいかがでしょうか。