訪日外国人旅行者数は年々増加しており、インバウンド対策が欠かせなくなってきました。その中で、外国人客の消費行動は、モノ消費からコト消費へ移りつつあります。

今回は、インバウンドがモノ消費からコト消費へ移行している理由今後の対策についてご紹介します。

モノ消費からコト消費へ移行した理由とは?

モノ消費とは、家電や化粧品などのモノを所有して得られる利便性や、モノを購入することに価値をおいた消費行動を指します。これに対して、コト消費とは商品やサービスを購入し、そこから得られる体験感動に重きをおいた消費行動です。

温泉巡りや浴衣で散策などの体験型サービスも、コト消費に該当します。モノ消費からコト消費に、価値が移っている理由をみていきましょう。

ネット購入ができるようになった

モノ消費からコト消費に移っている理由として、ネット通販の増加が挙げられます。ネット購入は商品の比較がしやすく、欲しいモノを自国にいながら、容易に手に入れられるようになってきました。モノ消費の欲求は、ネット購入で十分に満たされるため、旅行での消費が減ったと考えられます。

リピート客が増えている

インバウンドはリピーターが多いことでも知られています。彼らは日本で購入し、気に入ったモノを再び買うために再来日しているわけではありません。コト消費によって体験して感動したコトを、もう一度経験したいと思い、来日することが多くなっています。

日本でできる主なコト消費

コト消費は、日本を訪れなければ体験できないので、訪日外国人旅行客に訪れてもらえる可能性が高くなります。日本では多様なコト消費を展開しているので、一人一人にあったコト消費を見つけることができるでしょう。日本で体験できる、コト消費の主な例についてご紹介します。

着物体験

代表的なコト消費の例が、着物を着て古い日本の町並みを散策することです。日本は古い町並みが各地に残っており、その町並みや着物は、海外で人気がある「サムライ」のイメージとつながり、タイプスリップをしたような体験ができます。

お抹茶

日本のお茶文化も、諸外国にはない特殊なコト消費といえるでしょう。茶室でお抹茶をたてることで穏やかな気分になり、リラックスして過ごせます。また、気軽に非日常的な感覚を味わえることも、お抹茶の魅力といえるでしょう。

酒造見学

日本酒の酒造見学も、日本ならではの体験です。伝統的な酒造の見学は、優れた匠の技だけでなく、美味しい米や水を育んできた日本の美しい自然にも想いを馳せることができます。また、酒造と同様に食品の工場見学では体験だけでなく、商品を売ることで経済効果が得られます。加えて、商品がどのような過程を経て製造されているかを知ることで、旅行客の商品に対する愛着が増すといえるでしょう。

カラオケ・ボーリング

カラオケやボーリングもコト消費の一つです。海外でカラオケというと、居酒屋やバーなどのお酒を飲む場で大勢の前で歌うことが多くなっていますが、日本のカラオケは個室のため、一人旅や家族連れでも楽しむことができます。

スパ

日帰り温泉やスパなどの、大きな浴場に入ることは特別なリラックス効果が期待できます。その後に日本酒を飲んでみたり、日本食を食べてみたりすることで、心も身体もリフレッシュできるでしょう。

マグロの解体ショー

お寿司屋さんやイベント会場などで行われるマグロの解体ショーの見学も、諸外国では体験しづらいコト消費です。鮮魚からお寿司になるまでの工程を見ることは、魚を生で食べる食文化の理解につながります。

コスプレ

日本が世界に知られている文化の一つに、アニメ文化があります。海外にもそのファンは多く、人気のキャラクターに扮して、イベントに行く方々がいます。こういったキャラクターの格好をすることをコスプレといい、日本は国際的にコスプレが有名です。日本のアニメファンとの交流も、彼らにとって良い思い出になるのでないでしょうか。

今後の課題

日本にはさまざまなコト消費があり、それらが訪日外国人旅行者の増加にもつながっています。その一方で、今後もこのブームを継続するための課題が残されています。

伝え方の工夫

コト消費は体験したことによる、「感動」が要です。なんとなく雰囲気を味わうよりも、やり方や味わい方を的確に伝えることが、彼らのコト消費に関する価値を高めるでしょう。その文化が持つ歴史、意味から方法までを、簡潔に伝えることが重要です。

マニュアル化

コト消費の伝えるべきポイントをマニュアル化することで、より正確に訪日外国人に理解してもらえるでしょう。言葉だけでは伝わりづらい場合、マニュアルに分かりやすい写真やイラストを組み込むことで、彼らの理解を促進できると考えられます。

多言語対策

コト消費の促進に向けた対策も、日本語だけでは伝わりづらいでしょう。多言語に対応できる人員を配置したり、タブレッドの翻訳サービスを利用したりと、多言語への対応が必要です。コト消費は訪日旅行者が理解した上で体験して、感動を味わってもらうことが、その価値を高めるポイントです。言語がその障壁にならないように、対策を取りましょう。

モノ消費からコト消費への変化に対応するために

モノ消費からコト消費の変化は対策をしっかり行うことで、今まで以上に日本での旅行を盛り上げ、外国人旅行客を呼び込むチャンスでもあります。日本が提供できるコト消費について、それぞれの特性を理解し、訪日観光客にわかりやすく伝えることが、不可欠といえるでしょう。