訪日外国人旅行者の数は増加傾向にあり、インバウンド産業は日本経済において、その重要性が増しています。インバウンド市場を活性化させるためにも、消費額を増やすための対策が欠かせなくなってきました。

今回は、インバウンド消費額の現状今後の課題について解説します。

インバウンド消費額の現状

インバウンド市場を活性化させ、成長させるためには、訪日観光客の消費額を増やすことが欠かせません。インバウンド産業による消費額の現状は、どのようになっているのでしょうか。

4兆円を超える消費額

観光庁が2018年1月に行った調査結果よると、2017年の訪日外国人による旅行消費額は、4兆円を突破しました。2016年と比べて17.8%増加しているため、順調にインバウンド産業が成長しているといえるでしょう。

参考:観光庁「訪日外国人消費動向調査」

中国が全体の4割を占めている

同調査を国別に見てみると、中国が1兆6946億円で消費額全体の約4割を占めていました。一人当たりの消費額も23万円以上と、全体平均の15万3921円を大きく上回っており、日本のインバウンド産業にとって、中国人観光客は重要な顧客です。

1人当たりの消費額は減っている

外国人旅行客数や全体の消費額は増加していますが、訪日客一人当たりの消費額は減少しています。なぜ、一人当たりの消費額は減少してしまったのでしょうか。

爆買いが減った

一人当たりの消費額を大きく押し上げていた原因の一つとして、中国人旅行者を始めとする外国人旅行者の爆買いが挙げられます。彼らは、電化製品などを大量に買って国に持ち帰っていましたが、近年のこの爆買いが減少傾向です。

その理由として、円高や関税の増額やインターネット購入(通販)の充実、自国でも購入できるようになったことなどが挙げられます。

モノ消費からコト消費への移行

訪日外国人観光客の消費の主体は、「モノ消費」から「コト消費」へ変化しつつあります。今までは、外国人観光客が電化製品や化粧品、お土産などを大量購入することで、一人当たりの消費量が上がっていました。しかし、「コト消費」へ移行しつつある消費行動によって、これからは体験を売る方法について考えなくてはいけません。

今後の課題として考えられること

外国人観光客の訪日の目的が変化していく中で、今後もインバウンド産業を盛り上げていくためには、いくつかの課題があります。今後の課題と対応方法について解説します。

1人当たりの消費額を増やす

外国人旅行客数が増えても、一人当たりの消費額が減少してしまえば、インバウンド市場が活性化しているとはいえません。減少傾向にある一人当たりの消費額を増やすことが、大きな課題といえるでしょう。

外国人観光客の消費動態を観察し、一人当たりの消費額を増やす工夫が必要です。インバウンドの消費行動は、モノ消費からコト消費に移行しています。日本でしかできない体験をアピールして、その体験の価値をより感動的な形で楽しんでもらうことが不可欠です。

多言語対策を行う

日本を訪れる外国人観光客にとって、体験や文化を理解する上で、大きな障害になっているのが言語問題です。日本語は、日本特有の言語で、公用語として使われている国は日本のみで、ごく一部の地域でしか使われていません。また、日本では多言語による表示が少なく、地方では日本語のみの表記の場合が多くあります。これでは外国人が日本の文化や体験を理解しようとしても限界がでてきますよね。

まずは、道路標識や体験、文化の説明などを多言語表示にすることで、外国人客が理解しやすい環境を作りましょう。また、タブレッド型通訳サービスを導入することで、日本人が対面で外国人客にさまざまなことを解説できるようになります。こうした説明をする中で、旅行者に質問や疑問が生じ、それらに答えることも大切です。

情報発信の重要性とフリーWi-Fiの充実

旅行客一人一人の消費額を増やすためには、彼らに日本の文化や歴史など、さまざまな情報発信を行いましょう。彼らが自分の好きなモノをみつけ、好きなコトを体験できるようにすることが大切です。そのためには、外国人観光客が簡単に情報収集をできるように、フリーWi-Fiの設置が重要といえるでしょう。

現在のInstagramやFacebookが行き渡ったネット社会では、ネットと隔離された環境が旅行者にストレスを生じさせてしまいます。彼らが頻繁にネットにアクセスできる環境を作ることで、満足度の向上や、リピーター客の増加につながるでしょう。

インバウンドを盛り上げるために今後考えるべき課題

インバウンド産業は年々拡大しており、2017年に初めて4兆円を突破しました。しかし、一人当たりの消費額は減少傾向にあります。こういった環境の中でインバウンド産業を伸ばしていくためには、一人当たりの消費額を増加させていくことが不可欠です。そのためには、日本での素晴らしい体験について共有してもらい、コト消費を拡大していくことが重要と考えられるでしょう。