日本の飲食店にとって、近年増加傾向にある外国人観光客は、軽視できない重要なターゲットです。彼らの心をつかむためには、外国人客を意識した「おもてなし」を考えていく必要があります。

今回の記事では、飲食店の顧客満足度アップにつながる、外国人観光客への対応についてご紹介していきます。

訪日外国人客への「おもてなし」が重要視される理由

遠い海外から訪れたお客様に、誠意のこもったサービスを提供するのは、一つの礼儀のようなもの。同時に、店舗の利益を向上させる重要な要素でもあります。

ここでは、飲食店にとって、なぜ外国人客への「おもてなし」が重要なのか解説していきます。

”おもてなし”を含めての日本食人気

観光庁が行った「訪日外国人の消費動向」の調査によると、外国人観光客が日本に最も期待しているのは「日本食を食べること」だそうです。さらに、「実際に日本を訪れて日本食を食べた」という外国人観光客の割合は96%と高く、多くの外国人観光客が日本の食文化に興味をもっているといえます。

日本食が海外でこれほどの注目を集めているのは、料理そのものの魅力以外に、世界でもトップクラスといわれる丁寧な接客や、店舗の雰囲気などへの期待が含まれているからです。今後も多くの飲食店が、外国人観光客に良質なサービスを提供し続けることで、日本食のイメージアップも期待できるでしょう。

SNS・口コミで評価を得るため

現在では多くの外国人観光客が、初めて旅行する場所について、ネット上の口コミやSNSのレビューを参考にする傾向があります。

日本でも、旅行先についてネットで情報を集める、という方は多いのではないでしょうか。それと同じように、海外の方も「トリップアドバイザー」のようなレビューサイトや、「Facebook」、「Instagram」などのSNSで日本の飲食店の口コミや評価を調べたり、レビューの投稿主に質問をしたりといったコミュニケーションを活発に行っています。

飲食店を訪れた外国人客が料理やサービスを気に入り、評価の高い口コミやレビューが増えれば、宣伝や広告にお金をかけずに顧客が獲得できるでしょう。
このような理由から、飲食店では外国人客への「おもてなし」が重要であるといえます。

顧客満足度向上に必要なこと

外国人観光客の満足度を高めるには、“外国人向けの接客対応”が必要不可欠。
外国人客が日本の食文化に魅力を感じているのは、ご紹介した通りですが、その一方で「文化や言語に壁を感じ、店舗に入りづらい」という印象も持たれているのもご存じでしょうか。

このような不安を取り除くためには、各店舗で以下のような努力が大切です。

メニューに工夫をこらす

料理のメニューに、英語・中国語・韓国語といった、多言語表記をするのが大切なポイント。料理名や説明書きなどを多言語で表記することで、海外の方にとって馴染みのない日本料理も、どんなものかイメージしやすくなります。

他に、メニューに数字を振るという工夫も効果的です。言葉が通じなくても、番号を確認すればオーダーがとれるため、注文時のトラブルを減らす効果が期待できます。

宗教やアレルギーへの配慮を忘れない

異なる文化宗教アレルギーへの配慮も重要です。
海外から訪れるお客様の中には、宗教上、豚肉牛肉などを食べない方もいるため、それらの食品の使用について多言語で注意書きをつけるといいでしょう。

アレルギーを持つ方に対しては、特定原材料7品目(乳・卵・小麦・そば・落花生・えび・かに)を含む料理に多言語での注意書きをつける、イラストを添えた分かりやすい表を用意するなどの工夫が必要です。

多言語対応可能なスタッフを配置する

2017年には、訪日外国人客の数が2,800万人以上にのぼり、そのうちの半分以上は、アジア圏から訪れた旅行客です。ですが、アジア圏から訪れた旅行客の中には英語を話せない方も多くなっています。

そのため、中国語や韓国語をはじめとした”多言語“に対応できるスタッフの需要が高まっています。

多言語化の課題

多言語化には、いまだ多くの課題が残っています。では、日本の飲食店が抱える「多言語化の課題」には、どんなものがあるのでしょうか?

スタッフ側の多言語の壁

日本では英語を満足に話せる人材が少なく、飲食店のスタッフも例外ではありません。
そのため、外国人観光客を相手にスムーズな接客ができるスタッフを教育するには、かなりの時間と費用が必要になります。中国語や韓国語など、多言語の教育も行うとなると、より多くの時間がかかり、スタッフの負担も大きくなるでしょう。

外国人労働者の壁

日本に出稼ぎに来ている外国人労働者は、母国語と日本語の両方を話せるため、外国人客への対応に適した人材。ですが、外国人労働者を雇う際には、就労ビザの手続きや在留資格の確認などが必須で、実際にスタッフとして働いてもらうまでに時間がかかります。

外国人労働者を雇うメリットは大きいものの、同時に雇うハードルも高いのが現状です。

通訳サービスを導入する

飲食店の多言語対応にはまだまだ課題が残っていますが、「タブレット型通訳サービス」を利用することで、いくつかの問題を解消できます。

「タブレット型通訳サービス」とは、店舗に設置したタブレット型端末を使ってオペレーターと通信し、通訳を行ってもらうサービスのこと。中国語や韓国語、タイ語など、幅広い言語に対応しているため、ひとつのタブレットを導入すれば、すぐに多言語へのサポートが可能です。

さらに、「1ヶ月定額制」や、利用時間に応じて料金が変わる「従量課金制」、などの支払いプランがあるため、店舗の状況や使用頻度に応じて無駄なく利用できます。多言語への対応が必要な店舗では、このタブレット型通訳サービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。