急激な成長を遂げている日本のインバウンド市場は、この先も大きな発展を遂げると予想されます。では現状、日本のインバウンドの市場規模はどのような状況にあるのでしょうか。また、インバウンドの集客を高め、未来の日本を観光立国にするために何が求められているのでしょうか。

今回は、インバウンド市場の現状と、今後の発展における課題とその対策について解説します。

市場規模の現状

日本を訪れる外国人旅行者数は年々増加し、2017年には約2,869万人もの人々が訪れています。これは、5年前と比較すると、約3.4倍も増加しているのです。

インバウンド増加に伴い、政府は2020年の目標訪日外国人観光客数を4000万人に掲げ、さまざまな施策やキャンペーンを推し進めていく方針を発表しました。今後、ますますの盛り上がりを見せるインバウンド誘致政策によって、日本のインバウンド市場規模はさらに大きなものになっていくでしょう。

日本の特徴

大きな成長を遂げているインバウンドの市場規模ですが、その中身も成長に伴い変化しています。今、日本国内でのインバウンド市場は何が主流で、どのような特徴を持っているのでしょうか。

今後インバウンドによる集客や事業拡大を目指すときに備えて、細かくチェックしておきましょう。

コト消費が主流に

日本を訪れる訪日外国人旅行者の消費動向は、モノ消費からコト消費に移行しつつある傾向にあります。モノ消費とは、商品を購入するという行動や、そのモノで得られる利便性に重点を置いた消費動向のことを指し、わかりやすい例えでいえば、中国人富裕層の爆買いなどがモノ消費の代表例です。

一方で、近年注目されているのが、サービスを買うことで体験した充実感や感動を得るコト消費です。例えば、浴衣や着物のレンタル体験やネイチャーツアー、温泉巡りなどがコト消費に分類されています。

リピーター客が多い

モノ消費からコト消費に消費動向が移りつつある要因の一つとして、リピーター客の増加が挙げられます。観光庁が行った「訪日外国人の消費動向調査」において、2017年の訪日外国人旅行者数のうち訪日回数が2回以上と答えた人々の数は全体の約6割を占めており、日本のインバウンドにおけるリピーター客の多さを表しています。

また、同調査では「再び日本を訪れたい」と答えた外国人観光客が全体の約9割と高い割合を占めているため、今後もリピーター客が増加していくと期待できるでしょう。

今後の課題

さらなる発展が期待できる日本のインバウンド市場ですが、より多くの訪日外国人旅行者に満足してもらうためには、改善が必要な課題がいくつかあります。

外国人観光客が持っている、日本への好意的なイメージと期待を損なわないようにするには、どのような対策を図ればいいのでしょうか。

多言語対策

外国人観光客が日本を訪れた際、一番戸惑うのはコミュニケーションが図れないという点です。日本では地方都市はもちろん、訪日観光客がよく訪れる観光地域であっても未だに通訳者・多言語対応が間に合っていないという問題を抱えています。

今後、多くの外国人観光客に十分なサービスを提供するためには、比較的安価なコストで導入ができる「タブレット型通訳サービス」を導入してはいかがでしょうか。このサービスはタブレットを介して通訳を受けられるので、安心して外国人のお客さまの対応ができると期待されます。

宿泊施設の拡大

外国人観光客を受け入れられる宿泊施設の不足も深刻な問題として挙げられます。宿泊施設が不足している大都市では、民泊の規制緩和がされるなど宿泊施設の拡大を推進しています。しかし、今後インバウンドの増加に伴い、さらに大規模な施策が必要となるでしょう。

公共交通機関の利便性

公共交通機関の利便性も、日本が考えていかなければならない課題の一つです。
日本の鉄道やバスの使い方、切符の購入方法などを訪日外国人客に周知し、よりスムーズな移動を提供するには、多言語による十分な案内とパンフレットなどによる説明が欠かせません。

切符の種類や乗り継ぎ、乗り換えが複雑な日本では、外国人の方々も「乗り換えが分からない」と不満に思いがちです。こういった説明しづらい部分を分かりやすく案内することはもちろん、移動に便利なICカードの周知など多角的な対策が求められます。旅行者がスムーズに移動ができないと、旅のストレスにつながるので、より快適な移動手段を提供する対策を模索していかなければならないでしょう。

インバウンド市場の今に合った対策を

インバウンドが求めていることは、時代によって変化しています。何を求められているのかを敏感にキャッチしながら、確実な地盤でインバウンドを迎えなければなりません。時代に合わせた柔軟な考え方を合わせて、インバウンド市場規模をさらに拡大させていきましょう。