外国人旅行者の旅のスタイルが変化してきているようです。大型バスで観光する従来のスタイルから、個人やグループで訪日する外国人観光客が増え、公共交通機関を利用して観光地を訪れるのが主流になってきました。

言語や地理に不安がある中、「安心して目的地にたどり着きたい」というニーズから、外国人旅行者のタクシー利用が増加しています。このニーズに応えるべく、全国のタクシー会社はさまざまな取り組みを始めました。今回の記事では、タクシー業界とインバウンドの現状から、会社が行っている試み通訳サービスの新しい形についてご紹介していきます。

タクシー業界とインバウンドの現状

2018年の訪日外国人客数は2,800万人を突破し、2019年には3,400万人に達するともいわれています。2度、3度と日本を訪れる、いわゆるリピート外国人旅行者も増えている傾向にあるようです。

また、地方観光やローカルでしか味わえない体験を求めて、公共交通機関を利用する外国人客が増加。そんな中、確実にホテルや空港まで送迎してくれるのがタクシーのメリットで、今後も外国人旅行者が増えるほど、タクシーの需要は更に高まると予想されています。

加えて、タクシーを利用した旅行を通じて、日本の良さや地方の良さを伝えることができれば、今後の需要の掘り起こしも期待できるでしょう。タクシー産業の外国人旅行者の受け入れ強化は、観光立国を目指す日本では欠かすことができない要素の一つです。

参考:2017年12月推計値 訪日外客月別推計月別推計

外国人旅行者を受け入れるための新たな試みとは

訪日外国人客の需要やニーズに合わせて、新たな試みが各地で始まっています。そのいくつかをご紹介します。

試みその1:英会話対応ドライバー

札幌にあるタクシー会社では、ホテル・空港発の観光地タクシーを企画しています。この会社がオプションとして、英会話対応ドライバー(1,000円/時間)を手配するサービスを始めました。

北海道は中国、韓国、オーストラリアのツーリストにとって人気の観光地の一つ。ですが、初めて来日する旅行者が多い土地柄であり、こういったサービスがあれば言葉の壁を気にすることなく、安心して旅行が楽しめます。

試みその2:決済方法に選択肢を広げる

あるタクシー会社では、料金の決済方法に、従来のクレジットカードに加え、中国で普及している 「Alipay(アリペイ)」というモバイル決済を導入しました。

中国は銀聯(ぎんれん)カードというデビットカードの一種が普及している背景から、クレジット機能がないカードも多いため、クレジット決済以外も対応できるような工夫を行っています。

試みその3:予約にはアプリを導入

タクシーの予約には、「WAmazing」というアプリが登場しました。外国人利用者がこのアプリから、タクシーの配車依頼が24時間できるようになっています。1万台を超えるタクシーの中から、電話することなく呼べるので、外国人旅行者にとっては強い味方といえるでしょう。

最新の「タブレット型通訳サービス」

タブレット通訳サービスとは、「オペレーターを介して通訳を行う多言語サービス」のこと。このシステムでは24時間365日いつでも、ネットワークの接続があれば、すぐに複数言語への対応が可能です。

タブレット型通訳サービスの仕組み

アプリを開き、翻訳したい言語をクリックすると、自動的にオペレーターとのテレビ電話接続に切り替わります。ハンズフリー通話が主となり、交互に話す間にオペレーターが入り、通訳してくれるシステムです。

オペレーターが聞き取るため、方言や言葉の癖にも柔軟な対応が可能で、自動翻訳機能よりも情報伝達の正確性や対応できる幅も広いのが特徴です。

幅広いシーンで活用されている

世界中から多くの旅行者が訪れる中で、タブレット型通訳の対応言語は非常に豊富。英語中国語韓国語のような必要シーンの多い言語だけでなく、スペイン語やタイ語、タガログ語など、自動翻訳機能には備わっていない幅広い言語をカバーできる点も安心できます。

このシステムはホテルや商業施設などの導入実績も豊富ですが、最近では医療通訳にも活用されるくらい安心できるシステムの1つです。便利で情報伝達も確実なことに加え、運用コストも割安で使い勝手の良いサービスとなっています。

通訳システム導入は会社にもメリットがいっぱい!

現在では、言語面の不安から外国人旅行者を乗車させたくないという運転手は多く、外国人客が手を上げているにも関わらず、空車のまま通過してしまうこともあるようです。「通訳システム」を導入することで、運転手の不安を解消し、送客における機会ロスを減らしていけるでしょう。外国人旅行者は移動時の長距離利用も多いので、客単価のアップにも繋がります。

今後の観光の発展のためにも、会社の成長を更に加速するためにも、外国人旅行者にも優しい環境を整えるためにも「タブレット型通訳システム」の導入を検討してみてください。