2020年に開催が決まっている東京オリンピック・パラリンピックに向けて、競技場の建設など国内でも準備が進んでいます。そして、その東京オリンピックに向けてインバウンド産業はますます盛り上がると予想されています。ただし、ここで心配なのが日本を訪問した外国人客がどこに泊まるかということかもしれません。現在でも宿泊施設が潤沢なわけではないのに、オリンピックで訪問者が集中した場合、どうなってしまうのでしょうか。

そこで今回は、東京オリンピックに向けたホテル事業の現状と対策今後の課題についてご紹介します。

東京オリンピックに向けたホテル事業の現状

東京オリンピック・パラリンピックを迎える上で重要なのは、大会会場だけではありません。旅行者の拠点となるホテルは、彼らの訪日満足度にとって重要な要素となることが考えられます。ホテルの需要は拡大する一方ですが、東京オリンピックに向けて、ホテル業界はどのように準備を進めているのでしょうか。その現状を見ていきましょう。

建設ラッシュが進んでいる

インバウンド層における宿泊施設の需要拡大を受け、ホテルの建設ラッシュは続いているのが現状です。どんどん新しいホテルがオープンしており、収容人数は増加しています。予約がしたくてもできないという状況を打破するため、準備は着々とされているといえるでしょう。

足りないことが予想される

しかし、これらのホテル建設や、ゲストハウスなどの開業による収容人数増加にも関わらず、東京オリンピックでは宿泊施設が足りなくなることが予想されているのです。2017年は2800万人台だった外国人訪日旅行客が2020年には4000万人を超えると日本政府は見込んでおり、その予測は十分突破できると考えられています。しかもその4000万人が東京オリンピックの時期に集中する訳ですから、ホテルの客室数が足りなくなることは容易に想像できるでしょう。

船舶の活用が計画されている

ホテルは一度建設してしまうと、オリンピックが終わったからといってすぐに解体・廃業はできません。そこで現在、一時的に利用可能な宿泊施設として、船舶の客室利用が計画されています。船舶を東京オリンピック開催時に東京周辺に集めて、その上で宿泊しようというものです。クルーズ船を使うこともできますし、斬新なアイデアですよね。クルーズ客船・豪華客船を使った旅行プランなどを企画すれば、インバウンドによる宿泊市場はますます盛り上がっていくでしょう。

2020年に向けた課題

宿泊施設が足りないような状況の中、どのように対応していけばよいのでしょうか。2020年に向けたインバウンド対策の課題について取り上げています。

地方都市への誘導

宿泊施設が特に足りなくなっているのは、東京や大阪などが挙げられます。これらの主要都市は、特に深刻な状況のようです。オリンピック開催時期は中心開催地となる東京の宿泊事情が一番心配されています。この状況を打破するには都心部だけでなく、地方都市のホテルにも宿泊してもらうような取組みを行うことが重要です。

地方都市の魅力発信や商業施設の紹介、エリア毎に主要な大会会場までのアクセスを整え、乗り継ぎなどについてきちんと紹介していけば、都心部だけでなく周辺地方都市に外国人客を誘導することも可能だと考えられています。

ホテル事業の課題

また2020年の東京オリンピックを考えた上で、ホテル事業に関してもさまざまな心配事があります。それまでに乗り越えるべき課題について見ていきましょう。

施設の使い方を認知してもらう

インバウンド市場が盛んになってから、ホテルや旅館などの宿泊施設ではある問題が発生しています。それが外国人旅行客による施設の備品の持ち帰り問題です。こういった行為によって備品代が新たにかかってしまったり、備品がなくなっていないかをチェックしたりするなど、施設側・従業員側の負担増加につながります。外国人観光客に施設の使い方を徹底認知してもらい、施設の備品は持ち帰らないことがマナーだと知ってもらわなければなりませんね。

多言語対策

外国人観光客が日本を旅行する上で、さまざまな障壁があります。交通機関が複雑でわかりづらいといった問題もありますが、最も大きな問題が言語です。日本は他の国で広く使われている英語、フランス語、スペイン語、中国語などがほとんど通じません。加えて、表記も日本語が中心なので、アルファベットやその他の言語に慣れた外国人客にはストレスになってしまうのです。言葉が通じないと日本の魅力を十分に感じ取ってもらえなかったり、思わぬ事故につながってしまったりすることもあります。

そこで多言語表記や通訳士の配置、タブレッド型通訳サービスの導入などにより、外国人観光客に優しい環境を作っていくことが大切です。彼らの訪日満足度向上とインバウンド産業を盛り上げること、加えてオリンピックのスムーズな開催には、この多言語対策が必須といえるでしょう。

東京オリンピックをどのように迎えるか

東京オリンピックに向けて日本の宿泊施設の需要は拡大していくと予想されており、それについての課題は収容人数の増大、地方都市への誘導、外国人への施設使用マナーの周知、多言語対策などが挙げられます。外国人客にストレスが少なくスムーズに、日本観光やオリンピックを楽しんでもらうためには、これらの対策は欠かせません。インバウンド産業と東京オリンピックを盛り上げるために、これらの対策を検討してみてはいかがでしょうか。