海外ビジネスへの進出や観光客事業などが活発になってくると、外国人との会話を円滑に行うための企業が通訳サービスを必要とする場合があります。

しかし、今まで通訳に関わってこなかった方にとっては、そもそも通訳とは何をするものなのか?という疑問をもつこともあるでしょう。

今回は会社に通訳を取り入れる際、知っておいた方がいい基本的な知識をわかりやすくまとめました。

通訳とは

「通訳」とは、異なる言語を使用する対象者の間で、話し手の言葉を聞き手が理解できる言語に変換し伝える仕事を指します。
通訳を行う職業の人を「通訳者」と呼び、通訳者は仕事の特性上、二つの以上の言語を理解し、話す、聞きとると言ったスキルに長けている必要があります。

通訳と翻訳の違いとは?

異なる言語と変換する仕事と言えば、翻訳というものもありますが「通訳」と「翻訳」には分かりやすい大きな違いがあります。

通訳というのは、誰かが話している「話し言葉」を別の言語に変換する職業です。
一方で、翻訳は文書や電子データに記載されている「書き言葉」を別の言語に変換する仕事となります。

そのため、同じように「他国言語を別の言語に変換する」仕事ではありますが、求められるスキルも微妙に異なります。

もちろん、言葉を訳するための語学力は最低限の必須スキル。しかしそれに加えて、通訳では臨機応変に相手の意思を伝えられる適応能力やコミュニケーション能力が求められる傾向にあります。
翻訳の場合は、より正確な文法や語学知識、原文を理解して言い変える原文理解力が重視されます。

通訳と翻訳の違いはこちらの記事でもご紹介しています。
通訳と翻訳の違いとは?自社に必要なサービスを知る

通訳の業務範囲

通訳として行われる仕事はプライベートの観光からビジネス目的まで非常に幅広いものなので、一概に「これが通訳の仕事」と断定できるものではありません。
だからこそ、契約の際にどこからどこまでを業務範囲とするか詳細に取り決めをしておくことが重要です。

たとえば、社内会議のために仕事を依頼した通訳者に対して、その後の懇親会での通訳まで頼むことはできません。その際には、追加の費用が発生するでしょう。

プライベートの観光での通訳を依頼していた場合は、途中で仕事の商談があったとしても通訳を依頼できない場合もあります。
これは契約内容に含まれていない、という理由だけではなくその通訳者の通訳スキルが「一般会話程度」である可能性があるからです。
商談や契約などでは専門性の高い言語が使われるので、スキルの高い通訳者を雇う必要が発生します。

通訳の対応言語は何種類?

通訳の対応言語は、通訳者は通訳会社の努力によって日々増加しています。
依頼シーンが多いのは、やはり日本語、英語、中国語、韓国語などの公用語として使用人口が多い言語でしょう。
しかし、それ以外にもヨーロッパ諸国の独自言語や、同じ中国語の中でも全土で使われている北京語と南部に多い広東語など、さまざまな言語の通訳者が存在します。
通訳の仕事としては、こういった異なる言語でのコミュニケーション・サポートを行ってくれるます。

どんな人が働いているのか

通訳というのは、通常の会社のように毎日常に仕事があるという職業ではありません。そのため、多くの通訳者は通訳エージェントに登録して仕事をもらう、フリーランスの通訳者として業務委託を受ける等の方法を取っています。
もちろん、中には一つの会社に所属して専属の常駐通訳者として勤務しているという方も存在します。

地方在住の通訳者は存在する?

通訳は実際に求められている現場で双方の会話を聞き、言葉を訳すことがほとんどです。企業の需要としてどうしても需要が都市部に偏り、地方在住の通訳者は少ないのでは?という不安の声が挙がることもあります。

たしかに、フットワークを軽くできる分都市部に在住している通訳者の仕事量の方が多くなるというのも一説でしょう。
しかし、今はタブレット端末や電話回線、ネットワークを利用したライブ通訳と呼ばれる通訳が、一般企業で主流になってきました。

「ライブ通訳」などの通訳サービスの場合、依頼者が必要な時に通訳者に通信し、デジタウ端末を介して通訳を行います。例え通訳者が地方に住んでいたとしても問題なく通訳の仕事を依頼することが可能になり、地方に通訳者がいない場合でも訪日外国人の対応ができるようになります。

通訳のコスト

実際に通訳を取り入れる場合、そこにかかるコストというのはどのようになるのでしょうか。

まず、通訳には1日・半日といった時間によって基本料金が発生します。これは通訳者のグレードや実際に依頼する通訳の種類によって変わっていきます。

通訳を行う場所が遠い・出張先に同行するなどの理由で移動時間などの「通訳をしていない時間」が長時間発生する場合、その時間に対して移動費・拘束補償費と言った費用が加算されることも。
それに加えて、通訳者が通訳する場所に向かうための往復交通費も費用の一部です。海外出張への同行を依頼する場合には、もちろん通信者の往復の飛行機代なども必要コストとしてカウントしなければなりません。

このように基本料金に交通費や移動費を加えたものが、最終的な通訳者に通訳を依頼する費用となります。場所や状況、通訳者のグレードによって非常に高額になる場合があるので、よく見積りを吟味して通訳サービスを選びましょう。

通訳を利用している企業

通訳サービスを取り入れている企業

通訳は今や日本国内でさまざまな企業が導入しているシステムです。

とくに多く取り入れている業種はやはり宿泊施設や大規模商業施設でしょう。
多くの企業が海外から訪れた外国人に対して適切な接客を行うために常駐の通訳者を雇ったり、ライブ通訳などのシステムを導入しています。

また、一般企業などもグローバリズムの影響で通訳会社と契約し、海外ビジネスに活用し始めています。

小売店・飲食店での通訳導入は難しい?

海外観光客が増加している今、大規模企業だけではなく、街の飲食店や小売店などでも通訳者が必要視される傾向になってきました。

しかし、飲食店や小売店では費用面の問題で通訳者を常駐させるのは難しいと言われています。外国人利用者が多い店舗にそれぞれ通訳者を配置するにはそれだけ人件費がかかりますし、規模の大きい店舗では通訳者が1人では足りないという場合もあります。

そういったコスト面での問題から、飲食店や小売店での通訳サービスの導入は中々浸透できずにいるのが現状と言えるでしょう。

タブレット型通訳サービス

そんな小売店・飲食店での通訳サービスで主流になりつつあるのが、タブレット端末を利用した遠隔でのライブ通訳です。
この通訳方法では、専用のタブレット端末を用意し通訳会社と契約することで、すべての店舗に通訳者を配置し無くても、店舗全体に通訳サービスを導入することが可能となります。

タブレット型通訳では、通訳が必要な場合にタブレットを通して専用のオペレーターに接続します。画面を通してオペレーターが外国人の話す言語を通訳したり、こちらが伝えたいことを訳し相手に伝えてくれます。

タブレットにお互いの顔が映し出されるため、表情から微妙な言葉のニュアンスや希望を読み取ることもでき、接客力が重要視される小売・飲食業でも活用できる、次世代の通訳サービスと言えるでしょう。